2017年6月8日にマイナーチェンジして発売された「日産エクストレイル 20Xi HYBRID」を数日間試乗する機会がありましたので、レポートします。
我が家は、2007年発売の2代目エクストレイルに乗っているのですが、そろそろ10年目になり、点検の度にいろいろなところにガタが出てきました。
そこで、このまま乗り続けても、結局修理にお金がかかってもったいないのではないかと思い、乗り換えも含めて検討することにしました。
今回は、点検・修理の間に、代車として2017年6月にマイナーチェンジした新型エクストレイルを貸していただきましたので、乗り換えも含めた目線で、試乗レポートします。
前提条件として、我が家は4人家族で小さな子供が2人いるので、チャイルドシート2台とベビーカー1台を積むのに加え、買い物などの荷物も積むことから、荷物をたくさん積める必要があります。
2代目エクストレイルに比べ、3代目エクストレイルの最新版(2017年6月マイナーチェンジ)は、どのように変わったのかを紹介します。
日産エクストレイル(2017年マイナーチェンジ)のグレード・価格について
まずは、2017年6月8日にマイナーチェンジした日産エクストレイルのグレードと価格を紹介します。
[box class=”blue_box” title=”2WD”]
- 20S(2列)2,197,800円
- 20X(2列)2,548,800円
- 20X(3列)2,621,160円
- 20Xi(2列)2,803,680円
- 20S HYBRID(2列)2,589,840円
- 20X HYBRID(2列)2,892,240円
- 20Xi HYBRID(2列)3,071,520円
[/box]
上記は2WDの価格です。4WDの場合は、それぞれこの価格に206,280円プラスになります。
この他にも、内・外装の高級感を高めたモデル「モード・プレミア」や、本格SUVとしてワイルドでタフなイメージをより強調した「エクストリーマーX」といった特別仕様車もありますので、興味のある方は、日産の公式ホームページをご覧ください。
我が家の使い方は、街乗りメインで、山なども今のところ行く予定はないので、普通の2WDで検討しています。
ガソリン車とハイブリッド車との価格差は、
- 20S(2列)392,040円
- 20X(2列)343,440円
- 20Xi(2列)267,840円
と、グレードが上がるに従って、価格差が少なくなっていきます。
いちばん上のグレードのXiは、約26万円プラスでハイブリッド車にできるのでお得だ、と日産のディーラーの方も言っていました。
今回貸していただいたのは、日産エクストレイル 20Xi HYBRID 2WD です。
- 高速道路 同一車線自動運転技術「プロパイロット」
- インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)
- インテリジェント ルームミラー
- リモコンオートバックドア(ハンズフリー機能、挟み込み防止機構付)
などの、先進機能が装備されているグレードです。
せっかくですので、これらの最新機能も試してみました。
日産エクストレイル 20Xi HYBRID 試乗レビュー
今回試乗させてもらったのは、日産エクストレイル 20Xi HYBRID(3,071,520円)。
エクストレイルのラインナップの中でも、「プロパイロット」「インテリジェント アラウンドビューモニター」などの様々な最新機能を標準搭載したモデルです。
日産エクストレイル(2017年マイナーチェンジ)の外観
まずは、新型日産エクストレイル 20Xi HYBRID の外観(エクステリア)から見てみましょう。
3代目エクストレイルから採用された、日産デザインを象徴する「Vモーショングリル」が、2017年6月のマイナーチェンジで大きくなり、よりタフな印象に。ちなみに、2代目エクストレイルには、まだ「Vモーショングリル」がありませんでした。
ゴツゴツ・カクカクしていた初代や2代目に比べ、3代目は丸みを帯びて、より洗練された印象です。
ブーメラン型のシグネチャーLEDポジションランプ(車幅灯・スモールランプ)を採用。最近の車らしく、施錠時(約10秒)、解錠時(約30秒)点灯するフレンドリーライティングも付いています。
降車後、しばらくライトが点灯する機能は、ベンツなどの高級車でよく見るので、個人的には高級感があって好きです。(最近の車はみんな付いているのかな?)
もちろん、2代目には、このような機能はありませんでした。
後ろから見たところ。リヤコンビランプもブーメラン型が採用されています。
2017年6月のマイナーチェンジで、アンテナは「シャークフィンアンテナ」に変更されています。
2代目のアンテナは、フロントガラスの上に角のように生えていたので、よりスタイリッシュな印象になりました。
エクストレイルは、当初はゴツゴツしたSUVの印象が強かったのですが、モデルチェンジをして、より街乗りが似合う洗練されたイメージに変わってきています。
初代や2代目エクストレイルの形が好きだった人には、最新型(3代目のマイナーチェンジ)のスタイリングは、評価が分かれるところだと思います。
日産エクストレイル(2017年マイナーチェンジ)の内装
つぎは、新型日産エクストレイル 20Xi HYBRID の内装(インテリア)を見てみましょう。
運転席のドアを開いたところです。
新型日産エクストレイル 20Xi HYBRID の前席の全景です。
ハンドル(ステアリングホイール)は、20S以外は本革巻ステアリングになっています。
また、ハンドルは、正円ではなく、下のほうが平らになっているD型ハンドルが採用されています。
D型ハンドルは初めてだったので、運転しにくいかな? と思ったのですが、意外と運転しやすく、とくに丸型ハンドルとの違和感は感じませんでした。
ほんの少しですが、ハンドルの下部分を短くすることで、乗り降りしやすくしているのかな、と思いました。まあ、ただのデザインのような気もしますが。
ステアリングスイッチは、左側にオーディオやアドバンスドドライブアシストディスプレイの設定。右側にプロパイロットやハンズフリーフォンのボタンがあります。
手元でいろいろ操作できるのはいいですね。
ナビが大きくなって見やすくなりました。車種専用(セレナ、エクストレイル)9インチディスプレイモデルのナビは、画面も精細で大迫力でした。ここにも自動車の10年の進化を感じます。
エアコンは、20S以外はオートエアコンとなっており、運転席と助手席を左右独立して温度調整できます。
子供を助手席に乗せるときに、大人と子供で温度を変えれるのは便利だと思いました。
続いて、シフトノブまわりを見てみましょう。シフトノブも本革巻で高級感があります。
ドリンクホルダーは、2個あります。その手前には、ちょうどスマホ立てに良さそうな小物入れがあります。
ドリンクホルダーは、真ん中の間仕切りを取り外せます。この間仕切りを取り付ける向きによって、エアコンの風をドリンクに当てるかどうか決める仕組みは、面白いと思いました。
ただ、この間仕切りが取り外せることによって、子供が遊んでなくしてしまわないか少し心配です。
間仕切りを取り外せばワイドな小物入れとしても使えるらしいのですが、その場合、エアコンの風が当たりっぱなしになるのが、細かいところですが気になりました。
シフトノブの奥には、「電動パーキングブレーキ」と「オートブレーキホールド」のスイッチがあります。
「電動パーキングブレーキ」と「オートブレーキホールド」は、20Xiのみの標準装備です。
電動パーキングブレーキは、足踏み式パーキングブレーキの代わりに、手でスイッチを引き上げて、パーキングブレーキをかけます。スイッチを押し下げると解除です。
オートブレーキホールドは、停車したときに自動でブレーキがかかり、アクセルペダルを踏むと、自動的にブレーキが解除されます。
また、セレクトレバーをP位置にしたときに自動的にパーキングブレーキがかかります。
これは、実際に乗ってみて、パーキングブレーキのかけ忘れがなくなるので便利だな、と感じました。
センターコンソールボックは、大きな容量があり、電源ソケットもあるので携帯の充電などに便利です。
ちなみに、電源ソケットは、センタークラスター下と後部のラゲッジルーム内にもあります。運転席の近くに2個あるのは便利でいいと思います。
続いて、運転席側ドアの内側です。ドアロック、パワーウインドー、ドアミラーのスイッチがあります。
全車種でメッキインナードアハンドルを採用しています。ピカピカでオシャレ!
パワースイッチは、ハンドルの左側でちょっと視界からは見えにくいですが、慣れたら問題ありません。20Sのみメーカーオプション、その他のグレードは標準装備です。
ハンドルの右側は、オートドアメインスイッチなどのスイッチ類があります。ETC車載器もこちらにあります。
注目するのは、ボンネットオープナーの横に、燃料補給口のオープナーがあることです。
2代目エクストレイルでは、給油口のオープンスイッチがなく、ドアロックを解除した状態で、給油口の前側を押すと、給油口が開きます。
しかし、ガソリンスタンドで、車外から見て給油口が開いているかどうかが確認できないため、「給油口を開けてください」「給油口を押してもらったら開きます」というやり取りを何度もしなければならないのが面倒でした。
給油口のオープンスイッチがなかったのが不評だったのか、新型エクストレイルでは、オープンスイッチが復活しています。
これは、地味な点ですが、実際にエクストレイルに乗っていた者として高評価です!
室内灯(マップランプ)は、こんな感じ!
オーバーヘッドコンソールには、サングラスなどが収納できます。運転にサングラスは必須なので、これはありがたい装備です。2代目はサングラス入れがなかったので、ドリンクホルダーが1個サングラスに占領されていました。
サンバイザーには、バニティーミラー(20S以外は照明付き)が運転席・助手席ともに付きます。
助手席側のインパネ周りです。インパネやドア周りにステッチが施されていて高級感があります。
後部座席の足元です。2代目に比べ、ラゲッジスペースが狭くなったぶん、足元は若干広くなりました。
2代目ではセンターコンソールボックスのエアコン吹き出し口の下にあった、後席用のドリンクホルダーは、後部座席のアームレストに移動しました。
後席にアームレストができたのは嬉しいのですが、5人で乗るときに、後席のドリンクホルダーが使えないのは少し不便かな、と感じました。(2代目では、前席に4つあったドリンクホルダーが、3代目では、2つに減っているので余計にそう思います)
次に、ラゲッジルームを見てみましょう。
防水ラゲッジボードは、2列シート・ガソリン車のみです。ハイブリッド車は、写真のように防水仕様ではなく布で、底の高さもガソリン車より1段高くなっています。
ラゲッジルームの奥行きは、2代目より小さくなりました。2代目では、ベビーカーを寝かせて縦に載せられましたが、新型エクストレイルでは、横にしなければ入りません。
我が家では、ベビーカーを縦に乗せ、その横に買い物などの荷物を積んでいたので、荷室が狭くなって、それができなくなったのはマイナスポイントです。
あと、やはりベビーカーのような外で使うモノを載せる場合は、防水仕様のほうが、掃除もしやすくてよいと感じました。
ただし、ラゲッジルームが狭くなった分、居住スペースを大きくとったようで、乗りやすくはなっていると思います。
ここまで、新型日産エクストレイル 20Xi HYBRID の内装を見てきましたが、とても上品で落ち着いた質感に仕上がっていると感じました。
2代目にあったモノで、なくなったり小さくなったモノは、
- コンパネ上部の収納スペース(子供のDVDなどを入れておくのに便利でした)
- 運転席・助手席左右のエアコン吹き出し口上のドリンクホルダー(1人に2個ホルダーが使えて便利でした)
- ラゲッジスペースの縮小(ベビーカーが縦に寝かせて積めなくなった)
です。
荷物をいっぱい載せる我が家にとっては、収納スペースが減ってしまったのは残念ですが、その分居住スペースは広くなって、内装の質感もよくなっていて、乗り心地はよかったです。
新型エクストレイルの良い点
新型エクストレイルの良い点をまとめます。
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- 先進機能「プロパイロット」「インテリジェント ルームミラー」など
- 洗練された内装
- リモコンオートバックドア
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やはり、自動車の先進機能は10年でかなり進化しています。
「プロパイロット」は、前の車両について、自動でアクセル・ブレーキをコントロールして、一定の距離を保って走ってくれる機能です。
実際に試してみましたが、最高速度と車間距離をハンドルのスイッチで操作すると、前の車に合わせてスーッと走ってくれて、とても快適でした。
ただ、怖いので、足をブレーキの上でずっと浮かせている状態だったので、足は疲れました(笑)
「インテリジェント アラウンドビューモニター」や「インテリジェント ルームミラー」も車の周りが見やすくなって便利でした。
とくに「インテリジェント ルームミラー」は、車両後方のカメラ映像をミラーに映し出すので、荷物が多くてルームミラーの視界を遮るときや、夜間にもハッキリと映像が映し出されて便利だと感じました。
ただ、夜間でも後ろの車の運転席があまりにもハッキリ映し出されるので、運転手が鼻をほじっていても丸わかりでした。前の車が「インテリジェント ルームミラー」を付けているかもと思うと、信号待ちでも変なことはできないな、と思いました(笑)
あと、「リモコンオートバックドア」も便利な機能です。
これは、リモコンでバックドアを開け閉めできたり、リヤバンパーの下に足先を入れて引くだけで、バックドアを開け閉めできる機能です。
荷物を持ちながら、手を使わないで、バックドアを開け閉めできるのは本当に便利です。
新型エクストレイルのここがちょっとな点
新型エクストレイルと2代目エクストレイルを比べて、ここはちょっとな、と思った点をまとめます。
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- 収納・ラゲッジルームが少なくなった
- リモコンオートバックドアに衝突防止機能がない
- 2代目に比べ外観のタフさが弱くなった
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収納・ラゲッジスススペースが少なくなりました。
カップホルダーの数が減ったり、荷室のスペースが若干狭くなっています。
2代目エクストレイルでは、ベビーカーや仕事の荷物をガンガン後ろに積めるところが気に入っていたので、この点は少し残念に思います。
ただし、その分、居住空間が広くなり、居住性はアップしたと思います。
荷物優先か、乗り心地優先か、これは人によって評価が分かれるでしょう。
次に、リモコンオートバックドアに衝突防止機能がない点です。
リモコンオートバックドアはスイッチでバックドアを開けることができるのですが、後ろギリギリに壁があった場合、自動で止まることなく、壁に当たってしまいます。
これは、自分で車の後ろに立って試して見たのですが、ドアはお腹に当たってから止まりました。
つまり、もしバックドアの後ろに壁があった場合は、壁に当たってガリっとやってしまった後に止まります。
日産の人にも確認したのですが、やはり自動で止まることはなく、当たってしまうとのことでした。
これでは、誤動作が怖いので、リモコンオートバックドアはOFFにしておくしかありません(うちの駐車場は後ろが壁なので)。ここはちょっと改善して欲しいところですね。
最後は、2代目に比べ外観のタフさが弱くなった点です。
これは前述したように、2代目までのゴツゴツ・カクカクしたデザインから、3代目はやや丸みを帯びて、街乗りが似合う洗練されたイメージになっています。
ただし、2017年6月のマイナーチェンジでは、「よりタフなイメージを強調したエクステリアと、上質感を高めたインテリアなど、内外装ともに新デザインを採用しました」とのことなので、若干タフさは戻ってきた感じです。
私個人的には、高級感もありながら、SUVのカッコ良さも残しているいいデザインだと思います。
まとめ
2017年6月8日にマイナーチェンジした、新型日産エクストレイル 20Xi HYBRIDを試乗レビューしました。
2代目エクストレイルに10年間乗ってきた我が家として、乗り換えるかどうかの結論としては、いったん「保留」ということになりました。
その理由は、以下です。
[aside type=”boader”]
- 荷室が狭くなった(子供が2人いて荷物がたくさんある)
- ワンボックスカーも含めて検討する
- あまり見た目が変わらないので乗り換えた感が薄い?
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まず、ラゲッジルームが狭くなって、ベビーカーと荷物を左右に分けて積めなくなったところが妻に不評でした。
また、これから子供に加え、親も一緒に車に乗せる機会もあるだろうと考えると、7人乗りか8人乗りのワンボックスカーのほうがいいのかも、というのもあります。(ただし、妻はワンボックスのデザインが好きではありません)
あと、これは、個人的なことですが、エクストレイルに乗っている人以外からすると2代目も3代目もそんなに違いがわからないみたいです。
実際、代車で新型エクストレイルに乗って行ったときも、車が変わったことに気づかれずに、こっちから言うと「えー、ソックリだから全然わからなかった」と言われました。
せっかく新しい車に乗るんだから、変わったことに気づかれないのも寂しいな、と思った次第です(笑)
ということで、我が家が新型エクストレイルに乗り換えるかどうかは、いったん保留になりましたが、10年間で機能もデザインもかなり進化していて、きっと乗り換えても満足感の高い車になるんだろうな、と思いました。
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